浮世 M' e Lan chol y

何処かの知らない誰かの話

十人十色

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かって嬉しい花一匁、まけて悔しい花一匁

あの子が欲しい、あの子じゃわからん

相談しましょう、そうしましょう



産声をあげたその瞬間、いや

それよりも更に前

受精をした際に決まる人間性


「個性」


同じ環境下で同じ教育を受けて

同じ時間を二人で十年

備わった基礎の量は同等

それなのに何故 、同じ筈なのに

何故私は同じ様に生きられない、何故


周囲からの期待値、友人の質

身に付ける物一つ 

どれをとっても届かず、遠く 

自分自身を見る事もせずに

異なりを追いかけて無難に終わる

詰まらない人生、いつからだろう

それさえ分からない程に何も無かった


自分とは違う容姿、性格、価値観

「常識」 「ルール」 「一般的」

囚われるものが多すぎる

社会が無責任に貼る夥しいレッテル

誰が言いだしたか分からない幸福論


雨が降って傘をさす人の群れの中

傘をささずに踊る人がいてもいい

それが自由で個性だと言うのなら

私は「個性」を知らないまま生きてきた

世界に縛られ、ただそれに忠実に生き

「個性」を知るにはあまりにも遅すぎた 


他者との相違に積み重なる違和感を覚え

今更引き返せない生き様の中

自らが律した愚かな過去に潰され

声にならない断末魔をあげて死ぬのだろう。


憂鬱な時間に何を思ってどう過ごすかで

生き方は大きく左右されるのだろう


夢はそこら中に転がっている

その夢を拾う事は出来るが

水と肥料が足り無さ過ぎて枯れていく


個性を失った心に価値を見出すのは難しい