浮世 M' e Lan chol y

何処かの知らない誰かの話

2017-01-01から1年間の記事一覧

親の心子知らず

何もかもが意味を無くし世界の淵に立った時 静寂が恐ろしいものだと改めて実感した 自分にとって都合のいいように物事を捉え あの人は、あの人ならこれを望むだろうと 現実から目を背けるように想像の中へ身を投げた 期待を裏切られ、どれだけ失望したとして…

Ambiguous

自分の心すらまともに理解できずに他人の心なんて理解できるはずもないそれでも人は他人に理解を求めて共感を得ようと必死になる退屈な独りよがりの時間が今日も過ぎる見飽きたからくり時計の秒針が年老いて寂れた音で幾度となく同じ道を辿り数え切れない私…

氷点下

急に来てごめんね、だけど こうでもしないと君は会ってくれないだろう その服、別の男に貰ったのかい いや、よく似合ってるよ...すごく、ね。 煙草の煙を纏った「すき」を伝えてくれる君と 僕の夢を葡萄酒で流し込む君が好きだったよ 君がどのように産まれ育ち…

売女

あら、またあなたなの よっぽど暇なのね こんな所に何度も来るなんて いったい私の何を買いたいのかしら 私が形の無い「ソレ」に興味を持たない事を 薄汚れた世を映して生きてきたあなたが 何故そんなに綺麗な涙を流してまで 何かを失ったかのように悲しむのか…

腐乱臭

いらっしゃい...ああ、あいつならもう居ないよさぁどっかで身売りでもしてるんじゃないかいお客さんも物好きだねぇあんな女のどこがいいんだか...自分の知らない誰かが口を揃えて言う嘲笑しながら私に向けられている言葉その言葉を正確には聞き取れない、が…

十人十色

かって嬉しい花一匁、まけて悔しい花一匁あの子が欲しい、あの子じゃわからん相談しましょう、そうしましょう産声をあげたその瞬間、いやそれよりも更に前受精をした際に決まる人間性「個性」同じ環境下で同じ教育を受けて同じ時間を二人で十年備わった基礎の…